近赤外光線免疫療法!
第五の癌治療法 近赤外光線免疫療法!(光免疫療法)
直接癌細胞をたたく従来の抗癌剤とは全く違う方向からのアプローチで生まれたこの癌治療薬は、活動を抑え込まれている自己免疫細胞を開放に導く免疫チェックポイント阻害薬のオプチーボとキイトルーダである。
数年前に知ったこの免疫チェックポイント阻害薬が、すでに実用化されたのを知り、医学の進歩に驚きと明るい未来を感じました。
そして今年、(既に御存知の方もおられるかと思いますが)近赤外光線免疫療法という更に新たな癌治療法を知りました。2018年3月から日本でも治験が開始されたそうです。
この治療法を開発したのは、アメリカ合衆国で活動する日本人医師で11年間の臨床経験があり、放射線診断、核医学、消化器内視鏡の専門医でもある小林久隆先生です。近赤外光線免疫治療法(光免疫療法)の研究開発により、3度のNIH Tech Transfer Awardを受賞。アメリカ国立がん研究所(NCI)では今世紀初の日本人テニュア主任研究員となる、とウィキペディアに記されています。
近赤外光線免疫療法とは
従来のがん治療は、手術、放射線、抗癌剤による治療の3本柱であると言われていました。
しかし近年開発された、免疫チェックポイント阻害薬、さらに今回の光免疫療法【近赤外光線免疫治療法(NIR-PIT)、または略してPIT(ピット)】は、従来とは違う第4、第5の治療法と言う事になります。
ではこの近赤外光線免疫療法(PIT)は、従来の治療法とは何が違うのか?
小林久隆先生によると、一番大きな違いは簡単に説明すると、がん細胞を選んで壊し、それだけを体の中から取り除く治療で、使うものは体に無害な物だけ、と言う事だそうです。
大まかな治療の流れは、まずガン細胞と結びつく抗体に、光(近赤外光線)と反応して細胞膜を破壊する化学物質をくっ付けて患者に打ちます。
1,2日で、光と反応する化学物質をくっ付けた抗体は血液中を流れてがん細胞にたどり着き、がん細胞だけに結びつきます、正常な細胞には結び付きません。
そこで光(近赤外光線)を照射すると、その化学物質と光が物理反応を起こし、ものの1分程でがん細胞だけが膨れて破裂する。そして、周囲の健康な細胞にはダメージを与えない。とゆうものだそうです。
下の動画は、昨年(2017年)4月に開催された*新経済サミット(NEST)において、小林久隆先生がスペシャルセッションとして登壇した際、自身の開発した近赤外光線免疫療法(PIT)についてスピーチした様子です。
*【新経済サミットとは、楽天の三木谷浩二社長が代表理事を務める一般社団法人新経済連盟(主に楽天やサイバーエージェントなどインターネットを利用したコンテンツ産業を行う企業群が参加する経済団体)が主催するグローバルカンファレンスです。】
第4回がん撲滅サミット
- [光免疫療法]
(2018.09.03) 第4回がん撲滅サミットHPにて光免疫療法小林久隆先生講演ほか昨年の動画配信決定!詳細は近日発表。
2018/09/15 12:19
【NCI長官賞受賞記念講演】「光免疫療法最前線」 小林久隆氏【がん撲滅サミット】 - YouTube
がん治療薬「オプジーボ」の開発の基となる、免疫チェックポイント分子「PD-1」を発見した京都大高等研究院特別教授の本庶佑先生が、今年のノーベル医学生理学賞を受賞!!おめでとうございます!